手に馴染む横笛を世界に

西川浩平氏は日本を代表するフルート奏者として、20世紀後半を駆けていました。ところが運命の悪戯というのか、年齢とともに脂がのってきて、演奏が円熟味を増してきた頃、世界を股にかけて演奏活動をしていたフルートを和楽器に持ち替えるという、一見不思議な行動に出たというところでしょうか。西川浩平氏自身、年齢とともに洋風の酒と肴から和風の組み合わせがなつかしくなるという表現で、その気持ちを表しています。

同じ吹奏の楽器でも、フルートから横笛へ。しかもそれまでのキャリアを活かして、オーケストラとの共演を手がけています。海外の有名な楽団と東西の調べを合わせる試みは、大きな関心を持って世界中の音楽家たちから熱い視線を浴びています。

和楽器である横笛、あの小さくとてもシンプルな形をした楽器が、こんな大きな楽団をバックに信じられないような生きた音を響かせるなんて、日本伝統の音楽文化はまだまだ健在。そんな気持ちにさせてくれる現代の音楽家です。

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